更新日 2019.07.21
↑股関節(正面からのレントゲン)
バンザイした状態でのワンちゃんの股関節のレントゲン写真です。右に見えている方が、左後ろ足に該当します。この左右の太ももの骨の頭を比べてみると、形が違うことに気づくと思います。右側の骨頭が左に比べて太くなっており、形がいびつになっています。この右側(ワンちゃんにとっては左後ろ足)の骨頭がレッグ-カルベ-ペルテス病になっています。骨が変形して、股関節に強い痛みをもたらす原因になります。
↑左股関節(手術直前)
この病気は、ほとんどの場合、患者さんが若い時(生まれて4~11ヶ月齢)に起こります。この病気は、運動制限や鎮痛剤で症状が少し改善することがあっても自然治癒することは極めて難しく、さらに痛みが悪化していきます。痛くて足を使えないので、太ももの筋肉はどんどん痩せてしまいます。根本的な解決方法は外科手術のみです。手術は2通りの方法があるのですが、ここでは一般的な動物病院で行われている方法を説明します。
↑左股関節(手術直後)
大腿骨頭切除術という手術後の写真です。左の写真と見比べるとお分かりだと思いますが、骨の頭を切り取ってしまっています。こうすることで、ワンちゃんは、変形した骨の痛みから解放されます。「関節がなくなってしまって大丈夫なの?」という疑問をお持ちになると思いますが、周囲の筋肉が盛り上がって、関節の代わりになってくれます。個体差はありますが、数ヶ月で歩けるようになります。このワンちゃんは術後2ヶ月ほどでスタコラサッサと歩いていました。